暮らしに色を取り入れてみませんか? その4

暮らしに色を取り入れてみませんか? その4

~巨匠の色彩を訪ねて~   

巨匠と呼ばれる建築家は、普遍的な美しさを残しています。建物だけでなく、家具や照明などもデザインして、建築思想と美意識が一体となった空間を作り上げています。
今回は、建築家の作品の中から、色の使い方を学んでいきましょう。

◇ ミース ファンデル ローエ 

近代建築の3大巨匠の一人で、作品にニューヨークのシーグラムビル、バルセロナパビリオン等があります。
無駄な線を消すために、徹底的に細部にこだわった設計で有名です。

ファンズワース邸(アメリカ イリノイ州シカゴ郊外)
川のほとりの女医の別荘です。
緑の中に浮き上がるような白く塗装されたH形鋼、内外とも床はトラバーチン、外周全面ガラス、木の家具。色が絞られていますが冷たさを感じないデザインです。

ファンズワース邸 外観

リビング~ダイニング


トゥーゲンハット邸 (チェコ ブルノ市) 世界遺産
高台の傾斜地に立つ邸宅です。
外観は白塗装とガラス、写真のリビングの壁はオニキス、 床(建築時)はトラバーチンで、温室の緑も一体となっています。
ホールの壁は、照明を仕込んだガラス壁。

トゥーゲンハット邸 リビング

ホール

両作品とも、バルセロナチェア、ブルノチェア(どちらも購入可能)などの、クロム色の足のラインが美しい椅子が、洗練された空間に調和しています。

◇ フランク ロイド ライト 

自然と調和する有機的建築を目指したアメリカの建築家です。
写真の3つの作品とも、インテリアの重厚感のある木の色と、幾何学的なデザインで色彩豊かなステンドグラスが特徴です。

 ・ロビー邸 (アメリカ イリノイ州シカゴ) 世界遺産
水平線を強調した深い軒とレンガ、色の濃い軒先と窓の木枠の色、ステンドグラスの外観です。暖炉、照明など細部まで密度の高くデザインされ、格調高い住宅です。
この住宅とタリアセン(ライトのアトリエ群)の照明は、落ち着いた木の色との組み合わせがライト独特の表現で、再現されたシリーズが販売されています。

ロビー邸 外観

自宅兼事務所(アメリカ イリノイ州オークパーク) 
彫刻や壁画などの装飾と石膏壁の色彩で、温かい印象です。
天井のステンドグラスを通した光が空間に深みを与えています。
オークパークは緑豊かな高級住宅地で、ライトの初期の作品が多数あります。その他の住宅も、デザインや色彩がバラエティーに富んでいるので参考になります。ネット上の散歩にお勧めです。

自宅兼事務所
玄関天井のステンドグラス

自宅兼事務所 階段


ユニティ テンプル(イリノイ州オークパーク)世界遺産 
コンクリート造の平らな屋根で硬い印象ですが、対照的に内部はステンドグラス、照明、天井から落ちてくる光で明るく包まれます。
薄いグリーン、ブルーの塗り壁と濃い木の色が、バランスよく組あわされています。

ユニティ テンプル

ご紹介した二人の建築家の作品は、いつ見ても新鮮で感動を覚えます。
ミースの言葉Less is more.(より少ないことはより豊かなことである)、ライトの自然に学び調和していくデザインの考え方を、暮らしに取り入れていきたいと思っています。 

住まいのナビゲーター 
一級建築士 亀井 真理 

次回のナビコラムは
ファイナンシャルプランナー 香取 玲子さんの「資金相談から見えてくること」です。

これまでのナビコラムはこちらから!

#インテリア#建築家#暮らし#海外

同じカテゴリの記事

猫の額シリーズ その1

猫の額シリーズ その1

みなさま 失礼いたします。ナビゲーターの丸石と申します。狭い場所のことを指して、「猫の額ほどの・・」と言ったりします。ネットで「猫」と画像検索して彼らの顔をながめてみると、ふむふむ。。見る限り、そもそも「ひたい」という概念がなさそう。それ程、とる...

快適なリモートワークのためのインテリア

快適なリモートワークのためのインテリア

〜音を区切り集中しよう〜少し春の息吹も感じる様になってきましたが、未だコロナも猛威を奮っており、心配な日々ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?お子様がいらっしゃるご家庭では、休校やオンライン授業に再び切り替わり、ご家族ともにご自宅での時間が再び...

ペットと共に暮らす 水槽のある暮らし

ペットと共に暮らす 水槽のある暮らし

皆さんが住まいや暮らしに求めることはどんなことでしょう?「安心・安全」だったり、「安らぎ・癒し」など、求めることは多くあると思います。私にとっての住まいとは、毎日を共に過ごす家族と安らぎのある暮らしを得られることが重要なものとなっています。その暮...

名庭園を訪ねる その6

名庭園を訪ねる その6

~黒石・金平成園(澤成園)~青森県では近年、「大石武学流」と呼ばれる庭園の評価が高まっており、文化財にも次々指定・登録されている様子です。金山も2019年に建築家協会の弘前大会が開かれた折に何庭か拝見しましたが、中でも、最近整備が完了して面目を一...

机をつくる話

机をつくる話

みなさま 失礼いたします。ナビゲーターの丸石と申します。コロナ禍を経験してきて、世の中での働き方がかわりつつあります。その一つにテレワーク。自宅でのお仕事があげられるでしょうか。気合を入れて「さぁ、やるぞ。」となった場合に必要なのが、身を置く机と...

秋の庭から

秋の庭から

~炉開きの季節~里山の紅葉も最盛期を迎える頃、茶道では炉開きの季節。それに合わせた茶花も咲く頃。庭のモミジも色づいて紅葉の見ごろを迎えています。[caption id="attachment_10246" align="aligncenter" width="225"] 秋のはじまりを告げる 早咲きの椿 (セイ...